2桁の数字同士の掛け算は頻繁にテストにでるので、子供たちが四苦八苦することは多いのではないでしょうか。
そんな時は、子供たちにかんたんにできる方法を教えたいときがあるかと思います。
ただ、本屋に行ってもどれを選んでよいか悩むことがおおいですよね。
ここでは、2桁の掛け算を暗算で効率的に解くための4つの方法とそのコツをご紹介します。
もくじ
一般な縦書き計算の暗算化
一般的な縦書き計算を暗算で行う方法になります。
こちらはおさらいとしてとらえてもらえばとおもいます。
各位の数を順に掛け合わせていくシンプルなプロセスですね。
たとえば、「47×68」の計算では、
まず8×7(一の位同士)、次に8×40(一の位と十の位)、40×60(十の位同士)と進め、
最後にこれらの結果を頭の中で合計します。
47
× 68
________
56
320
420
+ 2400
________
3196
方法1:近似値置換法
近似値置換法では、数字を扱いやすい単位に置換してから計算します。
例えば、「47×68」の計算では、計算しやすくするため47を50に置換します。
50×68
は3400ですね。
それに47に足した3の分を除く計算をます。
3×68
は204ですね。
あとは引き算をするだけです。
47
× 68
______
50×68
3×68
-
______
3400
204
-
______
3196
方法2:十の位が同じ場合の掛け算-補助線利用法
十の位が同じ場合の掛け算では、共通の数値である補助線を通じて計算します。
例えば、「45×49」の計算では、50を補助線として設定します。
次に最終計算の千の位と百の位を出します。
補助線「50」とそれぞれの値の差分を減算します。
「45-1」または、「49-5」をします。
どちらも「44」になりますね。
次に差分減算した「44」を補助線「50」と100に対する比率で割り算します。
100分の50は二分の一になりますので、44に二分の一を掛け算します。
44×0.5
答えは「22」になります。
千の位と百の位が「22」であることがわかりました。
次に一の位と十の位を導いていきます。
「45-1」、「49-5」で減算した数値だけを抜き出し、かけ合わせます。
1×5
答えは5ですね。
一の位と十の位は「05」ということになります。
最後に千の位と百の位と一の位と十の位の数値をくっつけて完成です。
「22」&「05」=「2205」
別の数値でやってみましょう。
「78×71」の計算では、80を補助線として設定します。
補助線「80」とそれぞれの値の差分を減算します。
「78-9」または、「72-2」をします。
どちらも「69」になりますね。
次に差分減算した「69」を補助線「80」と100に対する比率で割り算します。
100分の80は8割になりますので、69に0.8を掛け算します。
69×0.8
答えは「55.2」になります。
千の位と百の位が「55」であることがわかりました。
次に一の位と十の位を導いていきます。
「78-9」、「72-2」で減算した数値だけを抜き出し、かけ合わせます。
9×2
答えは18ですね。
一の位と十の位は「18」といきたいところですが、
千の位と百の位の数値「55.2」に小数点が生じています。
この場合「0.2」を十の位に含める必要があるので、十倍した「2」と「18」を足し算します。
20+18
一の位と十の位は「38」となります。
最後に千の位と百の位と一の位と十の位の数値をくっつけると、
「55」&「38」=「5538」
数式にすると以下のようになります。
「55.2」×100 +「18」=「5538」
あら不思議! 答えは「5538」でかんたんに導き出せましたね!
方法3:十の位が同じ場合の掛け算-インド式
十の位が同じ場合の掛け算でインド式といわれている効率的な計算方法がありますので説明します。
「45×49」の計算を例にします。
まず、一の位の値をどちらかに引っ越しして合算します。
45の5を隣へ引っ越し⇒「49+5」=「54」
その値を引っ越しされてしまった値と掛け算します。
54×40
計算結果の「2160」をメモリーします。
次に計算式にある一の位を掛け合わせします。
5×9
「45」
となります。
仕上げにそれぞれの値を合計します。
「2160」+「45」=「2205」
方法4:同じ数字の二桁掛け算-補助線の応用
両桁の数値が同じ場合の二桁同士の掛け算、例えば「55×55」や「34×34」のような計算を効率的に行うには、
補助線を応用する方法があります。
この方法は特に、同じ二桁の数を掛け合わせる場合(平方を求める場合)にとても有効でしょう。
まず補助線となる十の位だけになる数字を設定します。
「34×34」の場合は補助線は「40」とします。
次に補助線と補助線から元の数値の差分を引き算した値をかけ合わせます。
補助線との差分=補助線「40」-元の数値「34」
補助線「40」×(元の数値「34」-補助線との差分「6」)
40×28=1120
「1120」となりました。
次に補助線との差分を2乗します。
補助線との差分
「6」×「6」
「36」となりました。
仕上げに2つの値を足し合わせます。
1120+36
答えは「1156」になりました。
「34×34」の計算結果と一致しますね。
方法5:一桁目が同じで一桁目の合計が10となる数字の二桁掛け算-インド式
一桁の数値が同じで一桁目の数値の合計が10となる場合の二桁同士の掛け算、例えば「51×59」や「34×36」のような計算は、
またインド式で効率よく行う方法があります。
まず計算結果の千の位と百の位を出していきます。
計算式にある十の位の数値と十の位の数値を抜き出し掛けます。
「51×59」の場合は
一の位の値をどちらかに引っ越しして合算します。
51の1を隣へ引っ越し⇒「59+1」=「60」
その値を引っ越しされてしまった値と掛け算します。
50×60
計算結果の千の位と百の位は「30」となりました。
次に計算結果の十の位と一の位を出していきます。
計算式にある一の位を掛け合わせします。
1×9
「9」
となり、
計算結果の十の位と一の位は「09」という形になります。
仕上げに計算結果の千の位と百の位、十の位と一の位の値をくっつけます。
「30」&「09」=「3509」
2桁の掛け算のチェックのコツ
2桁×2桁の計算を計算した後の確認のコツについて説明をします。
最終計算の一の位のチェックを確実にする
上記の例で出しました「47×68」の計算では、まず一の位同士(8×7)でかけ合わせますよね。
それで8×7の答えは56となり、その一の位(6)が最終計算の一の位になります。
つまり、はじめに計算する一の位同士の計算結果の一の位は最終計算の一の位になるわけです。
47
× 68
______
376 (47×8)
282 (47×60、一桁ずらす)
______
3196
この数値をチェッカーとして利用します。
一度2桁×2桁の計算を終えた後、計算ミスがないか、一の位どうしの掛け算ででた一桁目の数値をプリントに書いた答えの一桁目と合っているか確認をします。
「47×68」の例ですと、まず一桁目8×7=56を暗算し、一桁目6を頭にメモリーします。
「47×68」の答えは3196ですが、それがあっているかのチェックで一桁目6になっているかを見ます。
そこは間違えないだろうと思っていても、転記ミスなどで別の回答をしてしまうケースはありますので、
ケアレスミスを防ぐためにも、念のため見ておいた方がよいでしょう。
最終計算の左端の位のチェックをざっくりする
次に左端の位のチェックをおこないましょう。
上記の例で出しました「47×68」の計算で説明しますと、まず計算しやすい近似値にします。
「50×70」
答えは3500ですね。ですので、左端の桁にある3をメモリーします。
「47×68」の答えは3196で、左端のけたの数値があっているかを確認します。
なお、注意したいことは左端の桁が繰り上がってしまうほど数値を調整してしまうことです。
例えば
「45×32」の場合、答えは1440で、左端の桁の数値は1ですが、
「50×40」とすると答えは2000で、2となります。
調整幅は5以下にし、減算も視野に入れるとよいでしょう。
「45×32」の場合は「50×30」にすれば1500となり、1が取り出せます。
おおよその計算結果で確認する
数値を計算しやすい近似値に置き換えておおよその計算結果を把握することも有効です。
「45×32」であれば「50×30」で1500付近が答えなんだなぁという感じです。
「45×32」であれば一桁は0で1500付近と把握しておけば、計算ミスにすぐ気づけるというわけです。
さいごに
これら4つの方法をマスターすることで、2桁の掛け算を暗算で迅速かつ正確に行うことができるようになります。
各方法にはそれぞれ利点と適した状況があるため、練習を重ねて自分に最も合った方法を見つけることが大切です。
これらのコツを身につければ、テストでの計算がよりスムーズになるでしょう。